カラー実践編2 「パステル系カラーの作り方」
新生部1.5cm で過去2回、1.5ヶ月スパンでのトーンダウン履歴あり。
既染部は19レベルのアンダートーンであるものの、ダークトーンの残存ティントがあるため、そこまでリフトアップしていない。
光の透け感などを考慮すると、ブリーチ剤をつけて少し放置すれば、80%以上の残存ティントは除去できると判断したため、今回は、既染部に合わせたブリーチではなく、既染部よりも少し甘めにブリーチリタッチしている。
まず、新生部と過去二回のトーンダウンにより残存ティントが色濃く残っている部分を先にブリーチリタッチをすることに。
ハイトーンにおいて重要となるのが、「アンダーと残存ティントの見極め」。しっかりと判断できるように訓練したい。
写真は ブリーチリタッチ後の状態。
こちらの写真は先ほどのブリーチリタッチから30分放置後の状態。
根元が約18レベル程度にリフトアップしたので、この後、毛先の残存ティントを除去するため根元に使ったパウダーブリーチに、新たに軽くパウダーブリーチを足し、さらにトリートメントを混ぜたものを全体的に塗布した。 なお、パウダーブリーチは「ナプラ アクセスフリー」を、オキシは「ox6%の1.5倍」を使用している。
毛先にブリーチ剤を塗布し 10分放置した状態.
残存ティントは100%除去しようと思ってはいけない。 「80%除去できたらラッキー!!!」ぐらいの感覚が丁度良い。
この段階で気を付けなければいけないことは、既染部分の放置時間。
既述した通り、毛先は以前にアンダートーン19レベル。このレベルにある髪にブリーチ剤を塗布すれば、20分後には髪が千切れだす。
過去の様々な例から考えても、15分以上は危険。
10分程度、ないしは10分以内の放置にとどめると、ダメージが最小限に抑えられ、髪が千切れるリスクもかなり低減される。
以上のことを 頭の隅にでも置いておいて欲しい。
ちなみに、これは19レベルでの話なので、例えば既染部が18レベルだったとしたら、
千切れるまでの時間的猶予は30分〜40分程度に延長される。
アンダートーンのレベルと目的のレベルをはっきりとさせて施術に挑むのが大切。
先ほどの状態からシャンプーした後の状態である。
前回、前々回のダークトーンにした時の根元部分の濁りが多少気になるが、この辺りはアルカリカラーで補っていけばリカバリーできる。
さて、改めて説明すると、左上がカウンセリング時に聞き取ったゲストのイメージに近い希望のカラー。
ただ、僕的にはあまりに夏色的だったので、もう少し冬カラーのイメージを出したほうが本人にも似合うし、洋服などにもマッチするため、それをベースにもっとくすめて、パステルなんだけど、もう少し落ち着いた雰囲気にしようと提案して施術に入った。
今回は、ブリーチ後にアルカリカラーをしてパステル系のマニックパニックをコーティングする施術工程で進めたのだけれど、ブリーチ後、先にアルカリカラー後にコーティングするパステル系カラートリートメントを作ってから、その色を綺麗に発色させるため、アルカリカラーの調合をブリーチ後の状態を見ながら調合していった。
なお、パステル系カラートリートメントはマニックパニックの「グリーンエンヴィ」にかなり希釈したものを使用することにした。
具体的な調合は、シュワルツコフの「サロンオンリーコンディショナー」300gに、マニックパニック「グリーンエンヴィ」を2.5gだけ足した超パステルカラーだ。
左上:アルカリカラー塗布後の写真
右上:アルカリカラー シャンプー後の写真
下の段:マニックパニックカラートリートメント塗布後の写真
さて、考えてみよう。
先ほどのブリーチ状態に、アルカリカラー後のカラートリートメントの調合も決まっている。
では アルカリカラーの目的は何か?
まず、①少し白味を出したい。
そして②黄味を消したい。
③残留ティントの濁りを薄めたい。
そして、④全体的にくすませたい。
なおかつ、⑤若干のマット味を出しておきたい。
上記5つのことをアルカリカラーに求めたわけ。となれば、当然5つの色味が必要になる。
まず、白味を出したい理由は後に入れるパステル系カラートリートメントを発色させたいためなので、これは「N10」で叶います。
次に黄味を消すには、今回のアンダートーンなら微量の青紫を入れると消せるので、「10BV」を使用する。
残留ティントの濁りについては、微量のアッシュで軽く消せるので「10A」を。
そして全体的くすませるには、グレーやモノトーンでくすみを出すことができるので「10MT」を。
最後にマット味は「10M」で実現することができる。
これらを必要最小限の量だけ補うといいわけです。
カラートリートメント シャンプー後の写真。
仕上がりの写真。